2014

2014年度 大学院 隈+小渕デザインスタジオ
Adaptive Morphology B
講師 市川創太
Teaching Assistant: 平野利樹

MAS(Multi Agent System)、グラフ理論(ネットワーク理論)等を援用した建築設計を考える。

「群」れは、「アリが巣を作る、ムクドリの群飛行(群知能)」、「細胞の集まりが生物であること(生命現象)」、といったように生態のさまざまなスケール において観察することができ、興味深い現象が多くあります。「群」れはAdaptivityがそのまま現象になったものと言えます。複数の個体(エージェ ント)が集まって動作する枠組を、MASマルチエージェントシステムと呼ますが(CA セル・オートマトンも含むと考えます)、少数のエージェントでは総 和としてでしが起らない現象が、「群」として相互作用しあった結果、総和以上の創発現象が起こすことが特に興味深いといえるでしょう。「新種生物の突然の 発生(進化論)」あるいは、生態においてだけでなく「物質の凍結(相転移現象)」、「市場におけるバブルの発生(経済学)」のような要素に還元できない現 象も同じ種類のものとして観測することが出来ます。
このMASは、経済現象、都市交通/物流、人の流れ/避難誘導、文化や伝染病の伝播、生態系、生物の群れの動きなどと相性がよく、これらの現象をシミュ レートするのに用いられ、建築計画では避難計画などに用いられることが多いようです。しかしながら、まだMASによって形態自体が決定されて出来上がった 建築はそれほど多くありません。建築物自体もたくさんの部品が集まった「群」、であるという見方もできるでしょう。それらの部位・部品をエージェントに見 立てます。各部位がエージェントとして作用して成り立っているネットワークとして建築物・構造を捉え、スタジオ課題のミッションに挑みます。

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